タイトルなしホワイトニングは痛い?痛みの原因、対処法・予防法など解説【医師監修】

「ホワイトニングって痛いの?」「痛みが出たらどうすればいい?」など、施術への不安を感じている方は少なくないでしょう。
本記事では、ホワイトニングの基本的な仕組みから、痛みを感じる原因、痛みが出たときの対処法や予防法まで詳しく解説します。
安心してホワイトニングに臨むための参考にしてください。
ホワイトニングとは?

ホワイトニングとは、過酸化水素や過酸化尿素といった薬剤で歯の内部の色素を酸化分解し、エナメル質の見た目を明るくする処置の総称です。
歯を削るのではなく、色の原因に薬剤を反応させて白さを引き出す方法です。
代表的な方法は3つあります。歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」は高濃度の薬剤を塗布し、歯ぐきを保護したうえで処置を行います。
ひらかわ歯科医院では専用ライト照射を併用し、反応を促しながら進めます。
短時間で変化を感じやすい反面、当日から翌日にかけてしみることも珍しくありません。
自宅で行う「ホームホワイトニング」は専用トレーに薬剤ジェルを入れて装着する方法で、作用はゆるやかですが生活に合わせて続けやすく、色戻りも穏やかです。
「デュアルホワイトニング」は両者を組み合わせ、目標のシェードに合わせて濃度や回数を調整しやすい点が特徴です。
ホワイトニングは痛いって本当?

ホワイトニングは「必ず痛い」というわけではありませんが、患者によっては一時的にしみたり、ズキッとした知覚過敏に近い痛みが出ることも少なくありません。
とくに高濃度の薬剤を使うオフィスホワイトニングや、ホームホワイトニングでも薬剤の量が多かったり装着時間が長かったりすると、痛みにつながりやすくなります。
痛みの感じ方は人それぞれで、「冷たい水でキーンとする」「歯ブラシが当たるとピリッとくる」「何もしていないのに締めつけるような感じがある」などさまざまです。
歯の表面にひびや欠けがある場合、むし歯や詰め物の境目に段差がある場合、あるいは歯ぐきが下がって根元が露出している場合などは、とくに痛みが出やすくなります。
ホワイトニングで歯が痛くなる仕組み
ホワイトニング直後は、薬剤に含まれる過酸化物が歯質内へ拡散する過程で歯髄(神経)側が刺激され、知覚過敏に似たしみ・痛みが一時的に出ることがあります。
処置中から直後は唾液が当たりにくく歯面が乾燥しやすいことも、しみる感覚を強める一因です。
歯の表面を覆う薄い膜(ペリクル)の状態変化も関与しますが、痛みは単独の原因ではなく複数の要因が重なって起こると捉えるのが自然です。
さらに、欠け・クラック・初期のむし歯、詰め物との境目の段差や不適合がある場合は刺激が強く出やすく、局所的にピリピリした痛みにつながります。
歯ぐきが下がって根元の象牙質が露出している方や、歯周ポケットに炎症がある方も、刺激に弱い部分に影響が重なるため痛みが強まりやすくなります。
ホワイトニングで痛みが出るタイミングと期間
オフィスホワイトニングでは、薬剤の塗布中や(併用する場合は)ライト照射中にピリッとしみることがありますが、多くは一時的なものです。
痛みが出やすいのは施術当日から翌日にかけてで、多くは数時間〜2〜3日程度で軽快します(個人差あり)。冷たい飲食や歯みがきの刺激を避けて過ごすと落ち着きやすくなります。
ホームホワイトニングでは、トレーを装着した日だけしみるというパターンもあり、薬剤の量を減らしたり装着時間を短くしたりすることで対処できます。
一方、2〜3日以上強い痛みが続く場合や、特定の1本だけがズキズキする場合、噛むと響く場合は、むし歯やクラック、詰め物の不適合などが隠れている可能性も考えられます。
ホワイトニングで痛みを感じる原因

本項目では、ホワイトニングで痛みを感じる原因をご説明します。
虫歯や歯周病がある
歯と歯の間にできた初期のむし歯や、古い詰め物の下で広がった二次むし歯など、表面からは見えにくい部分に穴が残っていると、薬剤や冷たい刺激が伝わりやすくなります。
冷水やうがい、会話中に息を吸っただけでキーンとしみるのは、こうした隠れたむし歯が原因になっていることも珍しくありません。
歯周病で歯ぐきが下がっている場合も注意が必要です。
歯周ポケット内に炎症や歯石が残っていると退縮が進みやすく、根元の象牙質が露出するため薬剤の刺激が集中して痛みにつながります。
さらに歯の支えが弱まった状態に歯ぎしりや食いしばりの負荷が重なると、歯根膜が過敏になり、しみる痛みに加えて噛むと響くような感覚まで混ざることも少なくありません。
知覚過敏がある
歯ぐきの退縮やくさび状欠損、炭酸・柑橘類の摂取による酸蝕などで象牙質が露出していると、象牙細管を通じて刺激が歯髄側に伝わりやすい状態です。
こうした素地があるままホワイトニングを行うと、薬剤の刺激が増幅されて普段よりも強くしみるようになります。
またホワイトニング直後は、過酸化物の拡散による一時的な歯髄反応や処置に伴う乾燥などの影響で、冷水や冷風、歯ブラシの接触といった外部刺激に敏感になり、締めつけるような痛みにつながることがあります。
さらに、硬めの歯ブラシや強い力での磨き方、研磨剤の多い歯みがき粉を日常的に使っている方は、歯と歯ぐきの境目あたりが擦り減って微細な欠損ができていることも少なくありません。
こうした土台の荒れにホワイトニングの刺激が加わると、しみる範囲が広がったように感じやすくなります。
歯にひびや割れがある
エナメル質に肉眼では確認しにくい微細なひび(クラック)があると、薬剤や温度の刺激がその部位で強く出やすくなります。
ほかの歯は平気なのに1本だけ強烈にしみるという場合は、こうした見えないクラックが関わっている可能性もあります。
歯の先端にできた小さな欠け(チップ)や、詰め物との境目にある段差、摩耗によってできた鋭いエッジなども薬剤がとどまりやすいポイントです。
これらの部位では刺激が続きやすく、ピリピリとした痛みがほかの部分より長引く傾向にあります。
また、歯ぎしりや食いしばりの負荷が長期間続いている方は、ひびが徐々に深くなり歯髄(神経)に近づいていることも考えられます。
自覚がなくてもひびが進行している場合、ホワイトニングの刺激がきっかけとなって痛みがはっきり表に現れるケースも見られます。
ホワイトニング薬剤の濃度が高い
オフィスホワイトニングで使用する高濃度の薬剤(過酸化水素など)は、短時間で歯を白くできる反面、歯が一時的に敏感になりやすく、うがいや冷水、息を吸い込んだときにピリッとした痛みを感じることも珍しくありません。
ホームホワイトニングでも、トレーにジェルを多めに入れたり装着時間を長くしすぎたりすると、薬剤が歯と歯ぐきの境目あたりに停滞しやすくなり、外した後もしばらくしみる感覚が残ることがあります。
また、高濃度の施術を短い間隔で繰り返したり、(併用する場合は)照射を重ねたりすると、歯の乾燥感や刺激が蓄積しやすくなります。
痛みが当日から翌日に出やすく、食事や会話がつらくなるケースもあるため注意が必要です。
歯ぐきが退縮している
歯ぐきが下がると歯の根元(象牙質)が露出し、象牙細管を通じて刺激が伝わりやすい部位が増えます。
ホワイトニングの薬剤や冷たい水、歯ブラシの接触といった刺激が根元に集まりやすくなるため、しみる痛みが出やすい状態です。
歯周ポケットに炎症がある場合や、歯石・バイオフィルムが残っている場合は退縮がさらに進みやすく、根元の過敏も強まります。
ホワイトニング後に根元全体がヒリヒリするように感じるのは、こうした炎症と退縮の重なりが背景にあるケースが多いです。
加えて、硬めの歯ブラシで強く磨く習慣や研磨剤の多い歯みがき粉の常用、くさび状欠損がある場合は、歯と歯ぐきの境目がいっそう刺激に弱くなっています。
こうした土台の状態にホワイトニングの刺激が加わることで、しみや痛みを感じやすくなります。
ホワイトニングで痛みが出たときの対処法

本項目では、ホワイトニングで痛みが出たときの対処法について解説します。
歯磨きやうがいをする
「しみるから何もしたくない」と感じるときほど、歯面や歯間部に残ったプラークを軽く落としておく必要があります。
汚れが残ったままだと歯ぐきの炎症が上乗せされ、痛みが長引きやすくなるためです。
やわらかめの歯ブラシで歯と歯ぐきの境目や歯間部を小刻みに触れ、ゴシゴシ擦らずに”当てて動かす”程度にすると、締めつけるような痛みも落ち着きやすくなります。
うがいはぬるま湯で10〜15秒ほど、食後や就寝前など必要なタイミングに絞って軽くすすぎます。
冷水ではキーンとしみることも珍しくないため、ぬるま湯に切り替えるだけで口の中の糖分や酸を流しつつ冷刺激を避けることができます。
知覚過敏用の歯磨き粉を使う
知覚過敏用の歯みがき粉は、象牙細管を通じて伝わる刺激を抑える目的で作られています。
硝酸カリウム配合のタイプは神経の興奮を鎮める働きがあり、フッ化物配合のタイプは歯質を強化する方向からアプローチします。
日常的に取り入れることで、冷水や冷風に対する反応が軽くなるケースも少なくありません。
使い方のコツは「塗って置く」ことです。
歯みがき後にしみやすい部分(歯と歯ぐきの境目や前歯の根元など)へ少量を指や綿棒で薄く塗り、すぐに強くすすがず数分置きます。
ホームホワイトニング用のトレーがある方なら、ホワイトニングをしない日にトレーへ低研磨のフッ化物ジェルを入れて短時間装着する方法も有効です。
しばらく刺激のある飲食物を控える
ホワイトニング後に痛みが出やすいのは当日から翌日にかけてです。
この間はアイスや冷えた水、熱いスープなど温度差の大きい飲食物を避け、常温からぬるめのものに寄せると、キーンとしみる反応が出にくくなります。
炭酸飲料や柑橘類(レモン・グレープフルーツなど)、酢の物、スポーツドリンクといった酸性の飲食物も、歯面を一時的に刺激してしみを強める要因です。
どうしても口にする場合はだらだら飲みを避け、飲んだ後にぬるま湯で軽くすすぐと刺激の波を小さく抑えられます。
コーヒーや赤ワイン、カレーなどは着色の面でも控えたいタイミングなので、痛みのある日は白米・うどん・豆腐など刺激の少ない食事に寄せるのが無難です。
痛みの誘発を減らすことで、回復までの時間も短く感じやすくなります。
鎮痛剤を服用する
ホワイトニング後にキーンとした痛みが続くときは、鎮痛剤の服用がひとつの選択肢です。
一般的にはアセトアミノフェン系や、イブプロフェン・ロキソプロフェンなどのNSAIDsが候補ですが、胃が弱い方やぜんそくのある方、腎機能に不安のある方、妊娠中・授乳中の方、抗凝固薬など他の薬を服用中の方は選び方が変わるため、薬箱の説明書を確認し、判断に迷う場合は薬剤師に相談するのが確実です。
服用の際は製品の用法用量を守り、コップ1杯の水で飲むこと、空腹時を避けることが基本です。
痛いからといって追加で何度も飲んだり、アルコールと同時に摂取したり、かぜ薬など同系統の成分が含まれる薬と重ねたりすると副作用のリスクが高まります。
歯科医院に相談・受診する
「1本だけズキッとする」「噛むと響く」「温かいものでも痛い」「2〜3日以上続く」といった症状は、ホワイトニングの一時的な刺激だけでは説明しにくく、むし歯・歯のひび・詰め物の隙間・歯髄炎などが隠れている可能性も考えられます。
どの歯がいつから痛むのか、冷水や甘味・噛み合わせで変わるかをメモし、ホワイトニングの種類や使用日もあわせて伝えると診断がスムーズに進みます。
歯科医院では視診でクラックや歯の根元の露出を確認し、冷温診・打診で歯髄側の反応を調べます。
必要に応じてレントゲンや歯周ポケット測定を行い、「ホワイトニングによる刺激」なのか「治療が必要な痛み」なのかを切り分けます。
強くしみる場合はフッ化物塗布や歯面コーティング、ホームホワイトニング中であればジェル量・濃度・装着時間の見直しなど、その場で対応できる処置もあります。
ホワイトニングの痛みを予防する方法

本項目では、ホワイトニングの痛みを予防する方法をご紹介します。
虫歯・歯周病の治療
ホワイトニングで「1本だけズキッとする」といった痛みが出る場合、歯間部の初期むし歯や古い詰め物の下にできた二次むし歯が原因になっていることが少なくありません。
事前に視診や冷温診、必要に応じてレントゲンで確認し、レジン充填や段差の調整を済ませておくと、刺激が出やすいポイントが減って痛みが出にくくなります。
「根元がキーンとする」場合は、歯ぐきの退縮や根面の露出が関わっている可能性が高いです。
歯周ポケット測定で炎症の部位を確認し、歯石除去やルートプレーニングでバイオフィルムと歯石を減らしておくと、根元への刺激が入りにくくなります。
「しみる」に加えて「噛むと響く」感覚がある場合は、噛み合わせの負荷が重なっていることが考えられます。
咬合紙で強く当たっている箇所を確認して調整を行う、歯ぎしりが疑われればナイトガードを検討するなど、負荷の問題を先に整理しておくことで痛みが出にくくなります。
知覚過敏のケア
どの歯がしみるかわからないまま始めると、痛みが出たときの不安が大きくなります。
事前に歯科で冷風や冷水への反応、歯の根元の露出やくさび状欠損の有無を確認し、しみやすい歯を把握しておくと、濃度・回数・間隔を痛みが出にくい方向に調整しやすくなります。
冷たい水でキーンとしみやすい歯がある場合は、フッ化物塗布や知覚過敏抑制のコーティング材で歯の根元を保護しておく方法が有効です。
象牙質が露出している部位を中心に処置することで、冷風や歯ブラシ、飲食による刺激が入りにくくなり、ホワイトニング後の痛みを抑えやすくなります。
ホームホワイトニングでは、ジェルを多めに入れた日に痛みが出やすくなります。
トレーには米粒大のジェル量を目安にし、根元にあふれた分は綿棒やティッシュで拭き取り、装着時間と頻度を守ることで薬剤の停滞を防ぎ、ピリピリとした痛みを起こしにくくなります。
丁寧なホームケア(正しい歯磨きなど)
「磨いた直後にしみる」という場合、ブラッシング圧が強すぎることが考えられます。
やわらかめの歯ブラシで歯と歯ぐきの境目を小刻みに当て、ゴシゴシ動かさないようにするだけで根元への機械的な刺激が減り、ホワイトニング中の過敏が出にくくなります。
歯間はフロスをゆっくり通してバイオフィルムを落とす程度で十分です。
施術当日から翌日にかけてしみやすい時期は、冷水でのうがいが痛みの引き金になりがちです。
ぬるま湯で軽くすすぐようにし、炭酸や柑橘類はだらだら飲みを避け、口にした後は水で一度流す習慣をつけると、刺激が積み上がりにくくなり痛みの波を小さく抑えられます。
歯ぐきに炎症があると歯周ポケット周りが敏感になりやすく、ホワイトニングの刺激にも反応しやすくなります。
就寝前に歯間ブラシやワンタフトブラシで歯と歯ぐきの境目を丁寧に清掃し、炎症を落ち着かせておくことがヒリヒリを防ぐ土台になります。
定期的な歯科検診
「ホワイトニング前は何ともなかったのに、始めたら急に痛い」という事態を防ぐには、事前の検診でしみやすい歯を把握しておくことが有効です。
冷風への反応確認や歯と歯ぐきの境目の露出チェック、むし歯の視診を行い、痛みが出やすい箇所を特定しておくと、濃度・回数・間隔を調整した計画が立てやすくなります。
「1本だけズキッとする」タイプの痛みは、歯と歯の間の初期むし歯や詰め物の境目の段差が原因であるケースが多いです。
レントゲンで歯間部の状態を確認し、二次むし歯や段差の有無をチェックしておくと、刺激が出やすい”入り口”を事前に減らせます。
「根元がキーンとする」場合は、歯周ポケットの炎症や歯石が関係していることがほとんどです。
プロービングで出血部位を確認し、スケーリングで歯石やバイオフィルムを除去して歯ぐきの状態を落ち着かせておくと、ホワイトニング中のヒリヒリも起きにくくなります。
まとめ

ホワイトニングは歯を削らずに薬剤で色素を分解して白くする処置で、オフィス・ホーム・デュアルの3種類があります。
「必ず痛い」わけではありませんが、過酸化物が歯質内へ拡散して神経側が刺激されたり、処置に伴う乾燥などが重なったりすることで、知覚過敏様のしみ・痛みが出る場合があります。
むし歯や歯周病、知覚過敏、修復物の不適合、歯肉退縮、歯のひびなどがあると痛みは強まりやすくなります。
痛みが出たときは、ぬるま湯でのうがいや知覚過敏用歯みがき剤の使用、刺激の強い飲食物を控えるといったセルフケアが有効です。
数日以上続く強い痛みや特定の1本だけがズキズキする場合は、別の原因が隠れている可能性があるため早めの受診をおすすめします。
また、詰め物・被せ物はホワイトニングで白くならないこと、体質やお口の状態によっては適さない場合があることも事前に確認しておくと安心です。
ひらかわ歯科医院では、施術前の検査から痛みへの対策まで丁寧にサポートしています。
ホワイトニングに関心のある方は、お気軽にご相談ください。
