プレオルソは効果ない?失敗する原因・失敗を防ぐ方法など解説【医師監修】

プレオルソは効果がないのか、失敗を防ぐ方法が知りたいと心配される保護者の方は多くいらっしゃいます。
お子さまの将来にもかかわることなので、色々と不安ですよね。
本記事では、プレオルソで失敗を防ぐ方法や失敗する原因、メリットや効果が期待できる症例、適応年齢と治療期間などを詳しく解説します。
ぜひご一読いただき、安心してプレオルソ治療に臨みましょう。
プレオルソとは?

プレオルソは成長期の子どもに用いるマウスピース型の育成矯正装置で、口の周りの筋肉の使い方や舌の位置を整えながら、顎の発育を適切な方向へ促すことを目指します。
取り外しができる仕様になっており、自宅にいるときや眠っている間に装着して使用します。
装置の素材は弾性のあるやわらかいタイプが用いられることが多く、歯列全体を覆うアーチ型の形をしています。
内側には舌が正しい位置に収まりやすいよう工夫された形状があり、舌の位置づけをサポートする設計です。
使用時間の目安は、日中は1時間(必要に応じて1~2時間)程度、夜は就寝中ですが、症例や装置の種類、医院の方針により異なります。
最初は30分程度の短い時間から始め、慣れてきたら少しずつ装着時間を伸ばしていきます。
装着中は唇を閉じた状態を意識し、話したり飲み込んだりする動作を行うことで、口の周りの筋肉と舌の筋肉が連動して働きやすくなります。
プレオルソと他の矯正治療との違い
プレオルソは主に乳歯列期~混合歯列期(目安として3~11歳前後(個人差あり))で検討されることが多い治療法です。
これに対してワイヤーを使ったブラケット矯正は永久歯がそろってから(10歳代以降)に適用されることが多く、インビザラインなどのマウスピース矯正は小学校高学年から大人まで幅広い層に対応しています(小児向けのプログラムが用意されている場合もあります)。
治療の目的にも違いがあります。
プレオルソは筋肉の働きや舌の位置、呼吸や飲み込みなどの機能面にアプローチし、顎の成長を誘導する方法ですが、ブラケット矯正ではワイヤーの力で歯を直接動かす仕組みです。
マウスピース矯正は歯並びの細かな調整を行うことが多く、歯の移動を計画的に進めます。
抜歯の必要性についても差があり、プレオルソは基本的に抜歯を前提としませんが、ブラケット矯正やマウスピース矯正では症例次第で抜歯を伴うケースが出てきます。
装着したときの違和感や痛みの程度も異なります。
プレオルソは比較的やわらかい素材のタイプが多く負担が少なめな傾向があります。
一方でブラケット矯正では金属ワイヤーによる痛みや口の中の粘膜が擦れて傷つくリスクがあり、マウスピース矯正でもつけ始めに圧迫感や痛みを感じる方がいます。
プレオルソで失敗を防ぐ方法(失敗する原因)

本項目では、プレオルソで失敗を防ぐ方法(失敗する原因)をご紹介します。
適応症例(が限られること)を理解しておく
プレオルソは顎が成長する時期に用いることで効果が期待できる装置です。
永久歯が生えそろった後は適応が限られることが多く、成人の歯並びの改善を主目的にする治療には一般的に向いていません。成長期の子ども向けの装置であることを理解しておく必要があります。
また、重度の不正咬合(骨格的なズレが大きい受け口や、開きが大きい開咬など)では、プレオルソ単独での改善が難しい場合があります。こうしたケースではワイヤー矯正や他の装置、場合によっては外科的な矯正を含めた治療が検討されることもあります。
事前に歯科医師から適応範囲についてしっかり説明を受け、自分の症例がプレオルソに適しているかを確認することが大切です。
適切な装置着用、装着時間を厳守する
指示どおりに日中1時間(必要に応じて1~2時間)程度、寝るときは就寝中に装着しないと、筋肉の働きを整える狙いが十分に得られないことがあります。
日中の装着時間は医院の指示に従うことが基本になります。
装着漏れを防ぐ工夫として、カレンダーやスマートフォンのアラームで装着開始と外す時間のリマインダーを設定すると継続しやすくなります。
忙しい日が続くと装着が後回しになりやすいため、毎日の習慣として定着させるために、決まった時間に装着するルーティンをつくると効果的です。
装着時間が不足すると治療期間が延びたり、期待した変化が得られにくくなったりする可能性があるため、家族で協力して管理する姿勢も大切になります。
虫歯を防ぐためしっかり歯磨きをする
プレオルソを装着している間は汚れが溜まりやすいため、装着前後に歯磨きとデンタルフロスを行います。
特に就寝前は丁寧にプラークを除去し、口の中を清潔な状態にしてから装置をつけることが大切です。
歯磨きに加えて、装置自体も毎日ブラシで優しく洗浄し、必要に応じて洗浄剤を使用します(使用方法は医院の指示に従いましょう)。
食べかすや唾液の汚れを落とさないと、口の中の細菌が増殖しやすくなり虫歯のリスクが高まります。
装置を外したら水で軽くすすぎ、ブラシで優しくこすって汚れを取り除きましょう。
口の中の衛生管理を怠ると、せっかくの矯正治療が虫歯治療で中断されてしまう可能性もあるため、日々のケアを丁寧に続けることが成功への鍵になります。
定期検診・調整を怠らない
プレオルソは成長に合わせて合っていることが重要で、わずかなズレでも舌の位置づけや咬み合わせの誘導に影響を及ぼすことがあります。
装置のフィット感を定期的にチェックする必要があります。
また、使用を続けるうちに装置が劣化したり、咬み合わせや歯の生え替わりにより合いにくくなったりすることがあります。
そのため、治療計画に応じて歯科医院で定期的に確認し、必要に応じて微調整、サイズやタイプの変更、交換などが検討されます。
成長期の子どもは顎の大きさや歯の生え方が短期間で変化するため、定期的に歯科医院でチェックを受けることが治療の成功に直結します。
装置が合わなくなっているのに気づかず使い続けると、期待した変化が得られにくくなるだけでなく、違和感や痛みにつながることもあるため注意が必要です。
嚥下・会話などのトレーニング動作を適切に行う
プレオルソは装置を入れているだけでは不十分で、装着中に具体的な動作を繰り返すことで機能面の改善が進みやすくなります。
装着中の口を閉じる動作、話す動作、飲み込む動作をルーチンとして行うことが大切です。
理想的な飲み込み方は、舌を前に突き出さずに口蓋に押し付ける形になります。
装置の形状をガイドにして、一連の飲み込み動作を練習しましょう。
正しい嚥下パターンを習得することで、舌の位置が安定し、顎の成長方向が整いやすくなります。
ただ装置をつけているだけでは十分なトレーニングになりにくいため、日常的な動作を意識的に行う姿勢が求められます。
子どもにもよく治療の必要性を理解してもらう
ただ装着しなさいと言うだけでは続きません。
なぜ装着が必要なのか、将来どうなるのかを子ども目線でわかりやすく伝えることが重要です。
目的を明確に説明することで、子ども自身が納得して取り組めるようになります。
定期チェックの際には、装置を使用する前と後の歯型模型や写真を見比べて、成長や変化の実感を一緒に共有しましょう。
成果を確認することでモチベーションの維持につながります。小さな変化でも褒めて認めることで、子どもが自分から積極的に装着しようとする気持ちが育ちます。
家族全員で治療に協力する姿勢を示すことも、子どもが前向きに取り組むための大きな支えになります。
プレオルソのメリット

本項目では、プレオルソのメリットについてお伝えします。
取り外しができて衛生的
プレオルソは取り外し式の装置のため、食事や歯磨きの前後に外して歯や装置をしっかり洗えます。
毎日の洗浄がしやすく、口の中を清潔に保ちやすい仕組みです。
装着中でも食べかすが気になれば一度外せるので、歯間ブラシやデンタルフロスを自由に使えます。
固定式の装置と違って口腔内の管理がしやすく、虫歯や歯肉炎のリスクを抑えやすい点も利点です。
装置本体も水洗いや洗浄剤で手入れができ、清潔な状態を維持しやすくなります。
装置の装着時間が短い
一般的な「歯を動かす」マウスピース矯正では1日に20時間以上の装着が推奨されることが多い一方、プレオルソは日中1時間(必要に応じて1~2時間)程度と夜間(就寝中)の装着を目安にすることが多く、学校に通っている子どもでも続けやすい時間設定です(装着時間は医院の指示に従います)。
部活動や塾の時間帯に合わせて装着時間を調整しやすく、帰宅後の時間や就寝前に装着するなど、生活リズムを大きく変えずに取り入れられる点が特徴です。
痛み・違和感が比較的少ない
プレオルソは比較的やわらかい素材のタイプが多いため、金属ワイヤーのような突き上げる感覚が少なく、口内炎のリスクも起こりにくい傾向があります。
ただし、装着初期に違和感が出たり、擦れて痛むことがあるため、気になる場合は早めに歯科医院へ相談しましょう。
装着時間を自分のペースで少しずつ増やせるので、負担を抑えながら慣らしていけます。
最初は30分程度から始めて徐々に慣らしていけるため、急激な負担がかかりにくい点もメリットです。
将来的な矯正治療をスムーズに行える
プレオルソで口の周りの筋肉の働きや舌の位置、呼吸や飲み込みなどを整え、顎の成長バランスを誘導することで、将来ワイヤー矯正やマウスピース矯正を行う際に、抜歯が必要となる可能性を下げられる場合があります。
また、治療計画が立てやすくなったり、必要な歯の移動量が抑えられたりすることもあります。
事前に習癖や軽度の歯並びの乱れを改善しておくことで、大掛かりな治療を回避できる可能性が高まります。
成長期のうちに土台を整えておくことで、本格的な矯正治療が必要になった場合でもスムーズに進められるメリットがあります。
プレオルソで効果が期待できる症例

本項目では、プレオルソで効果が期待できる症例についてご説明します。
開咬(オープンバイト)
開咬は上下の前歯が咬み合わず、口を閉じても前歯の間に隙間が残る状態を指します。
舌を前に出す癖や飲み込むときに舌がうまく持ち上がらないことが原因となるケースが多く、小児期に放置すると顎の成長バランスにも影響を及ぼすことがあります。
プレオルソを装着すると、舌が上顎側の適切な位置に誘導されやすくなり、正しい飲み込み方を身につけやすくなります。
さらに口を閉じる筋肉が鍛えられることで、口唇閉鎖が安定し、前歯の開き癖の改善につながることが期待されます。
反対咬合(受け口)
反対咬合は下の前歯が上の前歯より前に出ている状態で、一般に受け口と呼ばれます。顎の成長方向や舌の位置、口の周りの筋肉バランスが乱れていることが関係している場合があります。
プレオルソは口の周りの筋肉バランスや舌の位置づけを整え、咬み合わせの改善をサポートする目的で用いられることがあります。
装置をつけた状態で飲み込む動作を行うと、舌が適切な位置に保たれやすくなり、機能面から咬み合わせが整いやすい環境づくりにつながります。
ただし、骨格的なズレが大きい場合は適応が限られるため、診断に基づいた判断が必要です。
軽度の叢生(デコボコ歯列)
叢生は歯が並ぶスペースが足りず、歯列がわずかに重なったり乱れたりする状態です。
顎の骨の幅が不足していることや、口の周りの筋肉のバランスが関わっている場合があります。
プレオルソを装着することで、口唇や頬、舌の力のバランスが整いやすくなり、顎の成長や歯列の形づくりをサポートします。
舌の位置が安定することで、歯が並ぶ環境が整いやすくなり、結果としてスペース確保につながることが期待されます(効果には個人差があります)。
上顎前突(出っ歯)
上顎前突は上の前歯が前方に突出し、口を閉じると唇が閉じにくくなる状態です。
指しゃぶりや舌で前歯を押す癖、口呼吸などが背景にあることもあります。
プレオルソを使うと、舌が適切な位置に誘導されやすくなるため、舌で前歯を押し続ける癖が緩和されることが期待されます。
装着中に口を閉じておくことを意識することで、唇を閉じる筋肉が働きやすくなり、機能面から前歯の突出傾向の改善をサポートします。
口呼吸・舌前方位癖
口呼吸は鼻づまりや習慣で口を開けて呼吸する状態を指し、舌前方位癖は舌が常に歯列の前方や歯と歯の間に出ている癖のことです。
これらは口の周りの筋力低下や舌の使い方の乱れが原因となり、顎が狭くなったり歯並びが悪くなったりする要因になります。
プレオルソを装着すると唇が閉じやすくなるため、口呼吸の改善を後押ししやすくなります。
装置の形状が舌先を適切な位置に保つ手助けとなり、前方への突出を防ぐサポートになります。
装着中に「あいうべ体操」や飲み込む練習を行うことで、舌と唇と頬が連動して動く力が向上し、呼吸や舌の使い方の改善につながっていきます。
プレオルソの効果が期待できる適応年齢と治療期間

本項目では、プレオルソの効果が期待できる適応年齢と治療期間について解説します。
3歳~6歳(乳歯列期)
この時期はほとんどが乳歯で、顎の骨と筋肉の働きがこれから本格的に発達していく段階です。
プレオルソは症例を選んで介入することが多く、反対咬合の傾向がある場合や口呼吸と舌の癖が強い場合などに検討されます。
治療では舌や唇の正しい動きを身につけ、飲み込み方を整えるサポートを行います。
口呼吸や舌を前に出す癖を早期に是正し、習慣改善のきっかけをつくります。
顎の骨が成長する土台づくりを意識することで、将来の歯並び誘導を進めやすくする狙いがあります。
装着時間は日中1時間程度と就寝中を目安にし、慣れに応じて日中の装着時間を増やすこともあります。
医院の指示を優先して進めることが大切です。
治療期間の目安は数ヶ月~1年程度ですが、目的や装着状況によって変動します。
6歳~10歳(混合歯列期)
この時期は乳歯と永久歯が混在し、前歯の生え替わりが進んでいます。
顎の成長も活発で、プレオルソが主に検討されやすい時期です。
治療では生え替わり中の前歯や咬み合わせの乱れを悪化させにくい方向へ誘導します。
軽度の叢生や開咬、反対咬合などの予防や改善をサポートしますが、適応は診断によって判断されます。
顎の幅や歯列の形を整える方向づけを行い、永久歯が並ぶスペースを確保することを目指します。
装着時間は日中1時間(必要に応じて1~2時間)程度と就寝中で、医院の指示により日中2時間を目標にすることもあります。
治療期間の目安は半年~1年半程度ですが、症例や装着状況によって変わります。
11歳前後(混合歯列後期~永久歯列期)
この時期は奥歯を含めて永久歯が増え、混合歯列の後半から永久歯列へ移行していきます。
顎の成長は徐々に落ち着いていくため、プレオルソの適応は限定的になることがあります。
必要に応じて本格的な矯正治療(第Ⅱ期治療)への移行を視野に入れて検討されることもあります。
治療では軽度から中等度の不正咬合に対し、筋肉の働きや咬み合わせの誘導の面から改善を補助します。
口の中の習癖や筋肉の働きを調整することで、治療後の安定性に関わる要素を整え、必要な歯の移動量や治療計画の負担を抑えられる可能性を高めます。
装着時間は日中1時間(必要に応じて1~2時間)程度と就寝中ですが、方針によって変わるため医院の指示を優先します。
治療期間の目安は半年~2年程度で、本格矯正へ移行するタイミングによって変動します。
まとめ

プレオルソは成長期の子どもに用いるマウスピース型の育成矯正装置で、口の周りの筋肉や舌の位置を整えながら顎の発育を促します。
取り外しができて衛生的で、日中1~2時間程度と就寝中の装着で効果が期待できるため、学校生活への影響が少ない点が特徴です。
開咬や反対咬合、軽度の叢生、上顎前突、口呼吸などの症例に適応します。
失敗を防ぐためには、適応症例を理解し、装着時間を厳守することが重要です。
装着中は口を閉じる、話す、飲み込むといった動作を意識的に行い、筋肉のトレーニング効果を高めます。
また、虫歯予防のための歯磨きや定期検診も欠かせません。子ども自身が治療の必要性を理解し、家族全員で協力する姿勢が成功の鍵となります。
ひらかわ歯科医院では、お子さまの成長段階に合わせたプレオルソ治療を丁寧にサポートしています。
適応の判断から装着指導、定期的なチェックまで、安心して治療に臨めるよう全力でお手伝いいたします。
お子さまの歯並びや口の機能でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
