カテゴリー:
歯が痛い時の「応急処置」と「やってはいけない事」
目次
歯が痛い時にできること
夜間急に歯が痛くなったり、休日に歯が痛くなった経験はございませんか?
お口の中に痛みを感じた時はすぐにでも歯科医院で治療を行うのが良いのですが、
歯科医院の閉まっている夜間や休日ではすぐに治療を行うことができません。我慢できない程の痛みを急に感じ、
日常生活もままならない場合は「応急処置」の方法と知識を知っておくとひと安心です。
すぐにできる応急処置
●歯に詰まった食べカスをとる
最初に見てもらいたいのが、痛みが出ている「歯と歯」や「歯と歯茎」の隙間に、食べカスなどは詰まっていないかです。
特に歯が痛い場合は食べカスが刺激となって歯に痛みを与えていることがあります。
食後に痛みを感じるような時には、食べカスを取り除きましょう。
歯茎が痛い場合は炎症によって腫れていることが考えられます。その原因は歯と歯茎の間に溜まっている歯垢で、
その中の細菌が歯茎に炎症を引き起こしています。歯垢を取り除く際には痛い部分を刺激しないように、
歯ブラシなどで優しく磨くようにしてください。
●塩水でのうがい
常温から少し暖かい位の水に塩を混ぜてください。目安としてグラス1杯の水に対してスプーン半分ほどの塩で結構です。
塩水には細菌を減らす効果があるので、お口の中全体をゆすいでください。
また、イソジンでのうがいも歯の周りの歯茎が腫れた時に有効です。
●痛い部分を冷やす
ズキズキと歯が痛む場合には頬の上から濡らしたタオルで冷やしてください。
過敏になっている神経を落ち着かせることにより痛み和らげる効果が期待できます。
ただし、氷や保冷剤などで急激に冷やしたり、歯を直接冷やすと逆効果になります。
●市販の痛み止めを飲む
ロキソニンやバファリンなど鎮痛効果や解熱効果のある市販薬は一時的に痛みを和らげる効果があるので、
仕事中や就寝中など、すぐに歯科医院に行けない場合に利用するとよいでしょう。
また、正露丸も痛みの原因が歯にある場合に有効という話も聞きます。使用方法は錠剤を飲むのではなく、
痛むところに直接詰め込むと良いそうです。これは正露丸の主成分である日局木(もく)クレオソートが歯の鎮痛鎮静や
根管治療時の消毒用として使用されているためです。
ただし、同様の製品であるセイロガン糖衣Aには虫歯による痛みを止める効果は無いようです。
≪公式ホームページ≫
正露丸 http://www.seirogan.co.jp/products/seirogan/truth/trouble.html
バファリン http://www.bufferin.net/
ロキソニン https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/loxonin-s/
●痛みを和らげる手のツボを押す
合谷(ごうこく)
合谷というツボは歯が痛い時に効果的と言われています。
強めに押し込んで、痛みを感じるくらい強く揉んだり押したりして刺激をしましょう。
歯が痛い他に眼精疲労や肩こり、食べ過ぎによる胃痛にも効くと言われています。
歯痛点(しつうてん)
その名の通り歯の痛みに対して効果のあるツボと言われています。
歯痛点は掌の中指と薬指の付け根の間にあります。
人差し指と親指で挟むように摘まんで、痛いと感じるくらい強めに刺激しましょう。
左右交互に何度か行うと良いそうです。
やってはいけない事
歯が痛い時に行うと逆効果になる行為があるので注意してください。
応急処置としては間違ったことなので以下の事は行わないでください。
●痛いところを温める
歯や歯茎に痛みがある場合、身体を温めると血流が良くなり痛みが強くなる恐れがあります。
激しい運動などでも体温が上がり血流が良くなるので控えた方がよいでしょう。
長時間の入浴も体温が上がるので、汗を流す際はシャワーだけにする方がよいでしょう。
●痛い部分に触れる
刺激を与えることになるので、痛い部分に触れることはやめましょう。
歯に詰まった食べカスや歯垢を取るために、歯ブラシでゴシゴシ磨くと強い刺激になり痛みが増すので、
なるべく痛いところに触れないように優しく取り除いてください。
また、指で直接触れると手に付着している菌が患部に入り、痛みを悪化させてしまう恐れがあるので控えてください。
●飲酒
一時的に神経中枢が麻痺するので痛みを忘れることはできます。
しかし、血流もよくなるので、後に強い痛みを感じることになります。
甘い飲み物や炭酸飲料も刺激が強いので控えるようにしましょう。
●喫煙
当然ながら歯や歯茎にとって悪影響を及ぼします。
喫煙者の方は気持ちを落ち着かせるためにタバコを吸うという方もいらっしゃいますが、
余計に症状を悪化させるだけなので控えた方が良いでしょう。
すぐに歯科医院の予約を!
歯が痛い時の応急処置の方法を説明してきましたが、あくまで痛みを和らげるための処置です。
最近の市販薬などは短時間でよく効くため、それを服用していればしばらくは大丈夫と思われる方も中にはいらっしゃると思います。
しかし、それは痛みの根本的な解決にはなりません。
歯科医院へ行くのが遅くなるほど虫歯や歯周病は進行し、結果として歯を失うことにもなりかねません。
大人の場合、強い痛みを感じるということは、すでに症状がかなり進行していると言われています。
自身の大切な歯を守るためにも早い段階で歯科医院での治療を行ってください。
定期検診での現状把握
歯が痛くて眠れない、歯が痛くて仕事に集中できない、歯が痛くて日常生活に支障をきたす
といった状態は身体にも心にも強いストレスを与えます。痛みが出たから歯科医院に行くのではなく、
痛みが出る前に歯科医院での検診を受診することをオススメします。健診を行うことで、
自分のお口の中の状態を正しく把握することができる他に、今後、痛みが出るリスクがある場所なども知ることができます。
虫歯などを早期に発見できれば、歯を削る量が少なくすんだり、来院回数や時間と費用も少なくすることができます。
そして、定期的に歯科医院に通うことでお口の中の環境を良い状態に保つことができれば、
「寝ている時に突然歯が痛みだして眠れない」といった事態も起こらなくなるでしょう。
そして、将来的に自分の歯を多く残せたり、歯科医院で掛かってくる費用を少なく抑えることにもなります。
しばらく歯科医院に行っていないという方や、自分は大丈夫と思っている方にこそ検診をしていただき、
ご自身のお口の中の状態を知ってもらうことが大切だと考えます。