「あなたのからだに優しい治療」ひらかわ歯科医院

歯ぎしりが歯や詰め物に与える影響とは

2016.12.09

目次

 

・歯ぎしりとは?

・歯ぎしりが歯に与える影響

・歯ぎしりが詰め物に与える影響

・詰め物が取れてしまったら

・まとめ

 

歯ぎしりとは?

 

歯ぎしりと聞くと、一般的には眠っている時に食いしばった歯同士がこすれて、ギリギリと音を立てる悪い癖だと認識をしている方が多いと思います。

しかし、歯ぎしりの悪い点は寝ている最中に不快な音をたて、他人に嫌がられるというだけではないのです。

実は、歯ぎしりは長く続けることによって、体全体にも様々な悪影響が出てくるのです。

また、歯ぎしりと同じようなもので「食いしばり」という癖もございます。

歯ぎしりと食いしばりは似た存在で、動きに違いがあります。

歯ぎしり:上下の歯を噛み合せた状態で歯を横に動かす。ギリギリという音がする。
食いしばり:上下の歯を噛み合せた状態で、そのまま強く噛み込む。

通常食事などでものを噛む力は1㎡あたり最大で12gと言われています。

ところが眠っている時に歯ぎしりを行った際には最大で74gとなっています。

なんと6倍以上です!これが長時間続きますのでダメージは深刻です。

以前に別の内容の記事でもご紹介しましたが、歯ぎしり(食いしばり)には3種類ございます。

これは子供から大人まですべての年代の方に当てはまる症状なので、保護者の方はお子様の状況にも注意して見てあげてください。

グラインディング

歯ぎしりの中では最も多くの方に見られます。

一般的な歯ぎしりのイメージはこのグラインディングです。

上下の歯を噛んだ状態で横にこすり合わせる動きで、長く続くと歯がすり減っていきます。

クレンチング

上下の歯同士で強く噛みしめる音が出ない歯ぎしりです。

食いしばりとも言います。

起きている時、寝ている時関係なく行っており、音が出ないので気付きにくいという特徴があります。

タッピング

上下の歯をぶつけ合って音を出すものです。カチカチと音を出すのが特徴です。

 

歯ぎしりの怖い所は自分ではなかなか気づかないことです。

歯ぎしりをしている人は、「子供から大人まで合わせて50%以上が行っている」というデータや「夜間日中を合わせて90%近くの人が行っている」という調査も見られます。

症状の進行度合いにもよりますが、予想以上に深刻な事態だと感じる方は多いのではないでしょうか。

もちろんすぐに対処を行わないといけないものばかりではございません。

私自身も無意識のうちに食いしばりがあり、奥歯に痛みを生じることがたまにありますが、「自分にも食いしばりがある」ということを自覚していれば、自身の生活習慣の中で改善することもできます。

 

歯ぎしりが歯に与える影響

 

歯ぎしりや食いしばりは「ブラキシズム(口腔内の悪習慣)」と呼ばれており、次のような症状が出てくる場合がございます。

・自分の歯や被せ物の歯が割れる、欠ける

・自分の歯や被せ物の歯がすり減る

・歯が浮いたように感じる(揺れる)

・冷たい食べ物、飲み物がしみる

・顎にだるさや痛みを感じる

・顎が開きづらくなる

これらの症状が当てはまる方は、早めに歯科医院への相談をお薦めします。

症状を放置していると、歯周病が進行する要因となる恐れもあります。

さらにそこから顎にも影響を及ぼし、顎関節症や無呼吸症候群の要因にもなってきます。

悪影響は連鎖していき、やがては肩こり、頭痛、腰痛といった全身にも影響を及ぼすことがあります。

 

歯ぎしりが詰め物に与える影響

 

歯の治療では虫歯などの治療により歯を削ることがあります。

その削った部分に被せ物や詰め物を入れて噛める状態に戻します。

ですが、その被せ物や詰め物がよく外れてしまう方もいます。

もちろん歯科医院での接着が甘い。硬い物や粘着性のあるものを多く食べ、過度な負荷をかける、転ぶなどして強い衝撃が加わる、などの原因で外れてしまう場合がありますが、よく被せ物や詰め物を外してしまう方は歯ぎしりをしている可能性も考えられます。

歯ぎしりの症状がある方の中には数か月に1度、「銀歯(もしくは白い詰め物)が取れた」という理由で来院される方がいます。

外れてしまう人は一番奥の歯か、その手前の歯(親知らずを入れない)が多いです。

ではなぜ外れてしまうのでしょうか。

歯科医院では被せ物や詰め物を行う際に、入念に噛み合せの確認を行います。

被せ物を行う際には歯と歯の隙間の調整も行います。

ちょうど歯間清掃具のフロスが通るくらいが目安です。

次に咬合紙というものを使い噛み合わせの調整を行います。

歯科医院で被せ物や詰め物を入れたことがある方は、よく赤い紙を「かちかち噛んでください」と言われたことがあると思います。

これは身体に害のない色をつけた紙を噛むことによって、強くかみ合っている部分に目印を付け調節を行うためです。

この際に、上下に噛み合せるだけでなく、噛み合った状態で横にスライドをさせ、側方運動の確認も行っています。

食事の際は上下の動きだけではなく、前後左右に顎が動くので、ちょっとでも当たりの強い場所があれば微調整を行わないといけません。

このように被せ物や詰め物を入れる際には注意を払って噛み合わせの調整を行っていますが、歯ぎしりによる噛み合せは想定外のものです。

通常の噛み合せの数倍もの圧が掛かる歯ぎしりは、歯をしならせてしまうほどの強さがあります。

しなった歯は通常とは違った噛み合わせになるため、被せ物や詰め物を入れた時に調節した場所とは違った部分で噛むことが多くなります。

そうなると被せ物や詰め物にはイレギュラーな力が掛かるので、歯との接着剤が砕けて外れてしまいます。

銀歯を使用している方は特に注意が必要です。

銀歯は強度があり過ぎるので減ることがなく、しなりなどにも適応ができないので外れてしまうことになります。

 

詰め物が取れてしまったら

 

歯ぎしりなどが原因で詰め物が外れてしまったら、なるべく早く歯科医院で治療を行ってください。

よく自分の指などで戻して、そのまましばらく放置をしている方もいらっしゃいます。

しかし、元通りにピッタリ戻すことは不可能です。

わずかな隙間があったり、浮いた状態でいると次のような不具合が生じてきます。

・詰め物が変形して合わなくなる

・残っている土台の歯が欠けてしまう

・噛み合う方の歯が欠けてしまう

・わずかな隙間に汚れが溜まる

また、きちんとついていないので食事の際に飲み込んでしまう可能性もあります。

 

外れた詰め物はそのまま戻すことができる可能性があります。そのためにも容器に入れて保管をしてください。

これは取れた詰め物を保護するためです。ティッシュペーパーやビニール袋などで保管すると、

誤って押しつぶしてしまった場合、変形してしまう恐れがあります。

 

後は詰め物が外れた歯と反対側で噛むようにしてください。詰め物を付けた歯は健康な歯と比べると脆くなっているので、

硬いものを噛むとヒビが入ったり割れてしまうこともあります。

 

まとめ

 

歯ぎしりはストレスが原因だという話を聞きますが、必ずしもそれだけではございません。

虫歯がある方はそれを治療し、自分のお口の中で「正しい噛み合せ」に調整をすることで症状を抑えることもできます。

また、歯ぎしりは明確な原因が不明なので、確実に治すことはできません。

歯ぎしりでお悩みの方はマウスピースを作り物理的に歯を守ることをお薦めいたします。

マウスピースは削れてしまっても作り直すことができるため、有効な手段であると言えます。

被せ物や詰め物が外れることでお悩みの方は、歯科医院に相談をして原因を探すことをお薦めいたします。

もし歯ぎしりが原因で詰め物が外れるという方は、他の歯にも負担がかかり悪影響を及ぼす結果になるので早めの対処を行った方が良いでしょう。

 

執筆/ひらかわ歯科医院 院長 平河貴大

 

 

 

 

 

 

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