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知っておきたい子供と歯周病の関係について

目次

 

歯周病は大人になってから掛かるものではありません

子供の歯肉炎

子供の歯周病を防ぐためには

仕上げ磨きの注意点

歯磨き以外のケアグッズ

まとめ

 

歯周病は大人になってから掛かるものではありません

shishubyo_s2皆さん歯周病ってご存知ですか?

名前は知っているけど、詳しくは分からないという方は多いのではないでしょうか。

実は歯周病は永久歯(大人の歯)を失う原因としては、虫歯よりも多いです。

広く歯周病と言っていますが、これは「歯肉炎」と「歯周炎」などの総称を言います。

これらの原因は歯周病菌です。

歯周病菌は歯の表面や歯と歯茎の間についている、歯垢(プラーク)に含まれています。

お口の中には数百種類もの細菌が生息しており、プラークはその細菌が糖分などを栄養にして増殖したものです。

これが歯肉に炎症を引き起こし、歯の周りの組織が壊れる歯肉炎になります。

進行すると歯周炎となり、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしてしまいます。

そして最後には支えを失った歯は抜け落ちてしまいます。

以上が歯周病についての大まかな説明です。

 

では、永久歯(大人の歯)が生え揃っていない子供は、歯周病にはならないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は子供も歯周病になると言っても、間違いは無いと私は考えます。

歯周病の始まりは子供の頃からで、痛みを伴わないため自覚症状がなく、静かに気づかないうちに数十年かけてジワジワと進行していきます。

そして痛みや歯のぐらつきなどの自覚症状が出てくるのは大人になってからです。

そのため歯周病は「大人になってから掛かる病気」と思われてしまいますが、多くは子供の頃の「歯周炎」から始まり、それが悪化していき歯周病になるというケースがとても多いです。

「歯周病は子供の頃から始まる」という認識を持って、子供の頃からケアを始めていけば、大人になった時に歯周病で歯がボロボロになるリスクを減らせる可能性が高くなります。

 

子供の歯肉炎

お子さんの歯茎が赤くなっていたり、触るとブヨブヨしていたり、出血があるのは歯周病菌が原因で歯茎が炎症を起こしている可能性があります。

その際に発熱がある場合は「ヘルペス性口内炎」の可能性もありますので注意してください。

見た目でわかる特徴として、健康的な歯茎は、薄ピンク色で引き締まっており、歯と歯の間がきれいな三角形をしています。

それに対して歯肉炎に掛かった歯茎は赤く腫れているので、歯と歯の間も少し丸みを帯びて膨らんでいます。

では、具体的に子供の歯肉炎にはどのようなものがあるのでしょうか。

原因ごとに次の3つに分けられます。

 

萌出性歯肉炎(ほうしゅつせいしにくえん)

奥歯の生え始めや永久歯(大人の歯)への生え変わり時期に一時的に起こる歯肉炎です。

これは歯が生え終わると自然と治ることが多いです。

永久歯の奥歯は完全に生えるまで、特に時間が掛かります。

そのため、奥歯の大部分が長期間歯茎の中に隠れた状態が続くので、歯と歯茎の境目に歯垢が溜まりやすくなります。

結果として歯茎が炎症を起こし、腫れたり痒くなります。

さらに、お口の中の歯周病菌を増やしてしまいます。

 

[萌出性歯肉炎の対処方法]

歯が順調に成長し歯茎から出れば、炎症が治り腫れも引いていきます。

永久歯(大人の歯)への生え変わり時期には、普段以上に丁寧な歯磨きを心がけて、歯垢を残さない様にご両親が仕上げ磨きをしてあげてください。

 

思春期性歯肉炎

歯垢が溜まって歯茎が炎症を起こすのが主な原因ですが、思春期特有のホルモン分泌の変化が炎症を助長させます。

主に女性に多くかかる症状です。

 

[思春期性歯肉炎の対処方法]

基本的には歯垢を溜めないことが改善方法です。

ホルモンバランスが大きく関係してくるので、バランスが崩れないよう栄養の取れた食生活を送ることも大切です。

 

若年性歯周炎

幼少期に起こった歯周炎を放置することで発症する歯周炎です。

13歳から15歳くらいに発症し、大人の歯周炎よりも進行が早いのが特徴です。

これは遺伝や免疫機能の異常、噛み合わせの負担が関係している場合が多いです。

 

[若年性歯周炎の対処方法]

歯石の除去や歯磨き指導といった一般的な歯周病治療に加えて、抗生物質を使った治療が行われます。

症状が重い場合は、歯茎を切開し奥にある歯石を取り除く治療も行われます。

治療後は再発防止のために定期的な検診が必要です。

 

子供の歯周病を防ぐためには

shishubyo_s1大人の8割が歯周病にかかっていると言われています。

その為、親から子供に歯周病菌が感染したりなどして、小中学生の4割が歯肉炎に掛かっているというデータも厚生労働省から出ています。

では、どのようにすれば子供の歯周病は防げるのでしょうか?

 

基本的なことではありますが「正しい歯磨き」とご両親が行う「仕上げ磨き」が重要になってきます。

歯磨きは乳歯が生えたら始めて行きましょう。

歯垢を取り除くことにより、歯周病菌の餌となる糖分が減り、歯周病菌が増殖を防げます。

そうすれば歯周病予防だけでなく虫歯予防にも効果が見込めます。

乳歯の生え方や歯並びによって歯磨きの方法は変わってくるので、乳歯が生えだしたらお子さんと一緒に歯科医院に歯磨き相談を行ってみてはいかがでしょうか。

また、子供は小学生くらいになるにつれて自分で歯を磨くようになります。

しかし、子供が行う歯磨きの場合、頑張ったとしても磨き残しが多くなりがちなので、ご両親がしっかり仕上げ磨きをしてあげてください。

 

仕上げ磨きの注意点

日本では約9割の家庭で仕上げ磨きが行われていると言われています。

そうした中で、仕上げ磨きのやり方について悩んでいる方も多くいらっしゃいますので、ポイントごとに分けてご紹介させていただきます。

 

基本の動き

毛先を磨く面にまっすぐ当て、軽い力で小刻みに動かしてください。

小刻みの目安は、5~10㎜程度の幅で1~2本ずつ磨くイメージです。

また、1カ所につき20回以上を基準に磨いてください。

注意点として、歯垢はなかなかとり切れないため、丁寧に3分以上を目安に磨いて下さい。

また、強い力でゴシゴシ動かすと歯ブラシの毛先が広がり歯茎を傷つけ、子供が歯磨きを嫌がる原因になったり、歯垢も取れ辛くなります。

 

仕上げ磨きを行う姿勢

膝の上に寝かせるなどして、保護者が子供の後ろに回り頭を固定してください。

歯磨き剤などを使う場合、慣れないうちは唾液や歯磨き剤を飲み込みにくくするために、子供を立たせて磨いてください。

 

習慣づけるコツ

歯磨きを始める頃になったら、口元に触られることに慣れさせてください。

そして、仕上げ磨きが終わったら必ず褒めてあげてください。

また、磨いている間は話しかけたり、数を数えるなどして、歯磨きの終わりを子供にわかるようにすれば最後まで頑張れます。

あとは下記を参考に磨いてください。

 

前歯を磨く時:上唇を持ち上げて歯と歯茎の境目がしっかり見えるようにし、歯ブラシを持っていない方の指の腹で上唇と歯茎をつないでいるスジを隠してください。

スジに歯ブラシが当たると子供は痛がり、歯磨きが嫌いになる原因になります。

 

奥歯を磨く時:歯ブラシを奥から手前に動かしてください。

奥歯の噛み合わせ面の溝には特に歯垢が溜まりやすいので注意してください。

 

歯磨き以外のケアグッズ

歯周病の予防には正しい歯磨きが必要不可欠だということはご理解いただけたと思います。

そして毎日の適切な歯磨きと合わせて使用すると、より歯周病に対して効果的なケアグッズがあります。

それは「コンクールF」という殺菌洗口液です。

歯磨き後やご就寝前に25ml~50 mlの水にコンクールFを5滴~10滴を入れて使用するものです。
おすすめの理由としては「高い殺菌効果が長続きすること」です。

虫歯や歯周病の原因は歯垢の中にいる細菌ですのでとても高い予防効果が期待できます。

お口の中の細菌が最も繁殖する時間帯は就寝時なので、就寝前の歯磨きを終わらせた後に合わせて使用していただくことをお薦めします。

使用した方からは「起床時のお口の中の不快感が無くなったと」との感想もございます。

また、洗口液特有のピリピリした感じもなく、お子様にも不快感が少ないので、ご家族全員で使用できるのも良いところです。

歯周病予防は積み重ねが大切なので、日常生活の中でできる事から行っていくと良いでしょう。

 

まとめ

子供の歯周炎を放置しておくと、大人になってからの歯周病の原因になります。

一生使える歯を維持するためにも、子供の頃からの丁寧なケアが必要です。

その為にも、夏休み、冬休み、春休みなどを利用し定期的に検診を行うことをお薦めしています。

子供、親、歯科医院で協力し健康的なお口の中の環境を守っていきましょう。

 

執筆/ひらかわ歯科医院 院長 平河貴大

 

 

 

 

 

 

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